スキップしてメイン コンテンツに移動

競泳プール○○○杯分!スタバの驚くべき牛乳消費量

スターバックスと言えば真っ先にコーヒーを思い浮かべる方が大半かと思われますが、そこに注がれるミルクについて深く考えた事がある方はあまりいらっしゃらないかもしれません。今回は意外と知らないアメリカのスタバで大人気のコーヒー用ミルクについて解説いたします。

何が半分なのか?アメリカで人気のミルクとは 

アメリカのスタバではセルフサービスコーナーに大きなミルクのボトルがおいてあります。日本のスタバと比較するとその内容量は三倍以上あるでしょうか。その中でも、「Half & Half(半々)」というラベルが貼られた魔法瓶に頻繁に出くわします。これは多いところでは一つの店舗だけで2~3本おいてあるほど人気を誇るミルクなのですが、何が半分ずつなのかと言いますと『ライトクリーム』と呼ばれる脂肪分が18-30%程度の生クリームを全体の50%を占めるほど加えた牛乳で、コーヒー用に製造されたと言われています。普通の牛乳よりコクが深く、まろやかな味わいを楽しむ事ができます。




なお、スタバのセルフコーナーには他にもWhole Milk(全乳)」や「Non-Fat Milk(無脂肪乳)」、2% Milk(脂肪分2%)」などが店舗によって用意されています。また、こうしたセルフコーナーには常設していませんが、最近では牛乳由来ではない「Soy Milk(豆乳)」や「Almond Milk(アーモンドミルク)」、「Coconut Milk(ココナッツミルク)」などもカウンターで注文することができます。



年間で競泳プール155個分!スタバが消費する牛乳 

そのように新しいタイプのミルクが世間の注目を浴びてきているとは言え、それでもやはりコーヒー用ミルクとしての王道をひた走る牛乳由来のミルクの地位は揺らぎません。このように何本ものボトルが全て満杯の状態で用意されていたとしても、朝などの通勤客が殺到する忙しい時間帯にはものの数分で空っぽになることがあり、バリスタさんたちも頻繁に補充に当たっている姿しばしば目撃します。

そうした絶大的な人気もあって、スタバではなんとおよそ9,300万ガロン(約35,200万リットル)もの牛乳が毎年消費されているそうです。これはオリンピックで使用される競泳プール155個分を埋め尽くす水量に相当するそうで、いかに膨大な量であるかが容易にお分かりいただけるかと思います。

ミルクと聞くとコーヒーに少し加えるだけですし、ブラックで飲まれたり牛乳由来ではないミルクを注文されたりすれば一切使用される事はないですから、一日を通じてもそれほど必要とされてないイメージがあったのですが、おそらくその控えめな立ち位置を超えるほどコーヒーの需要がとてつもなく大きいのでしょう。牛さんたちも自分たちが振り絞って出した乳がこんなにもコーヒーに注がれている事を知ったら、びっくり仰天するかもしれませんね。

なんと日本の二倍以上!米国における牛乳の需要 

ただアメリカでは一人当たりの牛乳消費量は日本の二倍以上で、年間およそ210億ガロン(約800億リットル強)もの牛乳が生産されているそうですから、そう考えますとスタバが占めているのは全体の0.44%という計算になります。この割合だけ見てしまうとたいした事がないように思えてしまいますが、よくよく考えてみればスタバは牛乳屋さんではなくコーヒー店なのですから、そんな条件下にありながらもこれだけの量の牛乳が費やされているという状況ではやはり桁外れの数値である事は明白でしょう。

幼い頃から毎日牛乳を摂取してきた私にとっては、日本人こそ牛乳を多く飲んでいるイメージだったのですが、アメリカやヨーロッパの国々の方が圧倒的に消費量が多いのです。料理にも使用したりするからでしょうか。いずれにせよ、世界は広いですね。

「殺菌済」語源は誰もが知ってるあの有名科学者

ちなみに日本では牛乳パックの側面にある成分表示の欄に殺菌方法が記載されていますが、アメリカではしばしば「Pasteurized」と表記されています。これは殺菌済み(特に低温殺菌)である事を表すのですが、なんとこれはその殺菌方法の生みの親としても有名なフランスの科学者パスツール(Pasteur)に由来しているそうです。パスツールはご存知の方も多いかと思いますが、まさか殺菌の単語になっているとは驚きですね。日本でこの呼び名が採用されなかったのは、日本人にとっては言いにくいからでしょうか。

各国におけるミルク事情はそれぞれ文化を通じて少しずつ異なっている為、その違いを知るのは大変興味深いものです。アメリカのスタバに立ち寄られた際はぜひ「Half & Half」をお試ししてみてはいかがでしょうか。

コメント

このブログの人気の投稿

たたいて壊せ!シンコデマヨとピニャータを解説

五月五日と言いますと日本ではこどもの日ですが、ロサンゼルスでもとある祝祭行事があって賑やかな1日になります。それは Cinco de Mayo(シンコ・デ・マヨ)と呼ばれるメキシコに起源を持つお祭りです。 5/5はこどもの日だけじゃない!叩いて叩く謎の奇祭 メキシコに隣接し、メキシコからの移民の方も多いロサンゼルスでは 現地より盛り上がりを見せていま す ! その祭りで何をするか、なのですが代表的なものにピニャータと呼ばれる木などに吊るした箱をただひたすらに叩く、という催しがあるのです。 この箱を手作りする家庭もあるそうですが、最近では様々なキャラクターを形どったものもあって、ピカチューなどの愛らしいキャラクターもあるわけですが、それが無残な姿になるまでボコボコに某で殴るのです。 箱にはお菓子など詰められていて、みなさんこの中身を目当てに容器がこうまでボコボコになるまで破壊活動に及ぶのですが、実はこのピニャータのルーツは意外なところにあるようなのです。 その起源はなんと中国!?「ピニャータ」の長い歴史 まだ真相は明らかになっていないようですが、一説ではその起源は中国にあると言われています。かつて中国では新年(旧正月)を祝う際、彩り豊かに装飾を施された牛やバッファローの形をした容器に種をぎっしりと詰めては様々な色をした棒で叩いて壊し、最後にはそれを燃やして残った灰を幸運の為に保管していたようです。 14世紀頃になると、その慣習がかの有名なマルコ・ポーロによってヨーロッパへともたらされてキリスト教の宗教行事Lent(レント;以前の記事でもご紹介しました)と融合したそうです。 「piñata」という名称の起源となったされるイタリア語「 pignatta 」は「earthenware cooking pot(土鍋)」や「fragile pot(壊れやすい鍋)」という意味があるそうで、当時は粘土でつくられた容器が用いられていた事に関連があるようです。さらにこのイタリア語は「pine corn(松ぼっくり)」を意味するラテン語とつながりがあるそうで、メキシコの伝統的なピニャータの形に付いているとんがり(corn)との関係性が指摘されています。 そして16世紀に大航海時代が到来する共にこの文化がメキシコにもたらされた際

白雪姫バージョンの限定オスカー像とは?実は秘密が多いあの金像に迫る

アカデミー賞と聞くと真っ先にオスカー像を思い浮かべる方が多いかと思われますが、このトロフィー自体について詳しい情報をお持ちの方は少ないのではないでしょうか。今回はそんな謎に満ちたオスカー像が誕生した背景とちょっとした豆知識をお送りいたします。 モデルと名前は全くの別人!複雑な誕生秘話  私は渡米するまでこの像はかつて映画界において偉大な功績を残した「オスカー」という名前の方がいて、その方を象ったものだとばかり思い込んでいましたが、残念ながらそれは完全なる誤解でした。なんとこの「 オスカー 」という名前は、1930年代の当時AMPAS( Academy of Motion Picture Arts and Sciences ; アカデミー賞を主催する組織)で司書を務めていた Margaret Herrick という方がこの像が 彼女の叔父に似ている と言った事に由来しているそうです。偶然似ていたこの叔父の方も現在のこの知名度を知ったら、さぞ驚かれる事でしょうね。 そして、この像のモデルとなった肝心の人物はその叔父さんではなく、 Emilio Fernández という名の メキシコ人俳優 だそうで、美術監督でもありこの像のデザインを担当した Cedric Gibbons (セドリック・ギボンズ)がEmilioにヌードモデルをお願いし、そこから着想を得て完成させたのだそうです。つまりオスカーという名前と実際のモデルは一切関係ないという様々な要素が倒錯している変わった像なのです。 ただの土台ではなかった、オスカーの足元 オスカー像の足元には土台のようなものが敷かれていますが、実はこれはただの板などではなく 映画のリール になっており、輻の部分(中心と外輪をつなぐ部分)には五つの輪が空いているのですが、これは先程言及しましたAMPAS設立時に組織を構成していた5つの役職( 俳優、監督、作家、プロデューサー、技術者 )を表しているそうです。 また胸元で握り締められているのは 剣 (十字軍で用いられた剣)だそうで、 映画という財産の保護と業界の発展 を象徴しています。大きさは長さ13.5インチ(約35cm)、重さ8.5パウンド(約3.9kg)で、通常はブリタニアメタルという種類の金属でつくられているそうですが、第二次世界大戦の影響で